いま韓国で何が起きている?
いま韓国スポーツ界最大のトピックが、韓国代表監督の辞任と後任探しです。洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は、W杯2026グループステージ敗退の直後、6月28日に辞任。韓国はグループAで1勝2敗(メキシコと南アフリカにいずれも0-1)の3位に終わり、大会前には考えられなかった早期敗退となりました。大韓サッカー協会(KFA)は現在、新監督の公募を開始しています。

騒動は政治の頂点にまで達しました。李在明大統領が監督を「無能」と公に批判し、代表チーム運営の全面的な検証を指示。サッカーへのこの異例の政治介入自体が、もう一つのニュースになっています。
背景:韓国代表監督の座が空席になるまで
洪明甫氏はただの監督ではありません。2002年日韓W杯で4強入りした伝説のチームの主将であり、韓国サッカー史上最高のレジェンドの一人です。しかし2024年の監督就任は当初から物議を醸しました。スポーツ庁は、KFAが自らの規定を無視し「合理的な面接プロセス」を経ずに選任したと指摘。この経緯はESPNも報じています。
ピッチ上では「変化のない戦術が対策された」との批判が大勢。敗退後には大統領が政府調査まで言及したことをYahoo Sportsが報道。韓国メディアのSTARNEWSは「洪監督を単独で選んだのは誰か、監督の上の責任はどこに」と、より根本的な問いを投げかけています。
韓国のファンのリアルな反応
韓国のサッカーコミュニティは、悲しみ→怒り→自嘲ネタという感情のサイクルを一周しました。怒りの矛先は「負けたこと」より「負け方と選ばれ方」。2024年の選任プロセス問題を持ち出し、「失敗はシステムの問題だ」とする声が多数派です。

一方でブラックユーモアも。BTSが7月19日のW杯決勝ハーフタイムショーに出演するため、「韓国は結局決勝に進んだ——出演者として」というジョークが定番化しています(詳しくはBTSハーフタイムショー解説記事へ)。夜のスポーツ番組は、外国人監督か国内の大物か、後任候補の議論で連日盛り上がっています。
韓国サッカー文化が見えてくる
この熱量を理解する鍵は2002年です。日韓W杯での4強進出と、赤いTシャツの応援団が広場を埋め尽くした光景は、現代韓国の集合的記憶そのもの。以来すべての代表チームが「あの夏」と比較され続けてきました。代表が大舞台で不振に終わると、それはスポーツの結果ではなく「国民的喪失」として処理されるのです。
大統領の厳しい発言には、「組織は公に責任を問われるべき」という韓国社会特有の規範意識も表れています。結果以上に「手続きの正当性」が重視されるのも特徴的で、2024年の選任問題がここまで尾を引いた理由でもあります。今回のKFAの「公募」は、その批判への直接的な回答と受け止められています。
世界と比べると?
W杯後の監督交代は世界共通の風物詩ですが、国家元首が代表チームの検証を指示するのは、ブラジルやアルゼンチンのようにサッカーが国家アイデンティティと直結する国ならでは。日本でも代表の早期敗退後には検証論が起こりますが、議論は基本的に協会内に留まります。政治・世論・メディアが一体となって動くのが韓国式と言えるでしょう。
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まとめ
韓国代表監督の空席は、一人の辞任劇ではなく、「韓国サッカーはどう運営されるべきか」を問う国民的議論になっています。次にベンチに座る人物は、傷ついたチームと、世界有数の熱量を誇るファンを同時に引き継ぐことになります。
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